Ongoing Collective DIARY

2020/03/30 ただのへんな他人のおんな
2020年3月30日齋藤春佳

志村けんが死んで「やっぱり」と「死んじゃったの」が混ざった。
お昼頃「志村けん死んじゃったね」ってラインが2つ来て、知ってるよ言わないでって思ったんだけどそれ自体が気持ちと言うよりは、悲しさが気持ちとしては存在していたその上に知ってるよ言わないでがあったように思う。


古い保険証を探しているのだが何処かにやってしまった。
なんかいまいち何もできない気がして、洗濯槽掃除と風呂掃除をする。洗濯槽からすごい汚れが出てきて、夢中になる。夢中と言ってもやることは洗濯機がやってくれるのを、見ることを夢中、あとはたまに汚れをすくうだけ。


夕食を食べた後、志村けんについて話していて、研ナオコの気持ちになったら涙が溢れた、友達が死んでしまった、仕事仲間でもあった、しかもコロナウイルスで、しかも急に、しかも会えないままで。
そのあとTwitterに流れてきた昔のVTRで相葉くんが志村けんのことを「パパ」と発語した時に志村けんが自分を「?!」って指差しながら目がみるみる真っ黒になって頬が薔薇色になってびっくりしながら嬉しそうなお顔になった瞬間を見てもう誰の気持ちになっているのかわからないけれど泣いた。気持ちが動いているのを見てただ他人の私が泣いているだけといえばだけだった。感情の事情をRに説明すると「はるちゃんはすぐ人の気持ちになれてやさしいね」というので「ただのへんな他人のおんな」と言って首を振った。本当のことだ。


東京都の緊急記者会見を待つ。8時からって言ったのに、全然8時から始まらなかった。ギターを練習しながら待つ。「いろんなところに行ったり、いろんなものを見たいって曲作りたい」と言ったら作り方をなんとなく教えてくれるんだけどいまいちぴんときてない。「そのきもちがだいじ」とか言われる。


夜の街が発生源だと情報を操作するような会見。夜の街も発生源の一つ、だろうが。怒りが湧いてくる。加えて、国に言われなければ、つまり都の責任が生じるような形ではテコでも動かないという姿勢がわかった。不要不急の外出の自粛のお願いと言う形で都民個人に責任を負わせて、生活をするために仕事に行く人にとっては必要な外出や店自体の営業を、補償なしに止めることができるわけないのに、止めてるフリだけして、感染拡大した際に”都は自粛要請をしていた”というエビデンスを残しているだけだ。
ばかにしてんのか。してるんだろうな。テメエがばかだ。
記者の人が、こんなふうに一定の人数が夜に集まらざるをえなくなる緊急記者会見という形式をなぜとるのかという質問の合間に「なんだかな」と言ってしまっていて、気持ちがわかると思った。
なんだかな、なんでわかんないのかなっていうかなんでそんなこともわかんないの?


寝る前、Rが「こりゃだめだな」と言って「明日仕事を休んでほしい」と言う。「具合悪いって言って一週間休みな」
「だってこれで利用者さんのご家族が仕事に行き続かなきゃいけなくて、帰ってきて、利用者さんにうつって、迎えに行って、利用者さん全員にうつって、Rにうつって、私にもうつることが防ぎようがない、そうなる未来しか見えない」と言ったら怖くなって泣いた。私はコロナにかかったら心臓止まって死ぬと思う。
泣いたついでに「台湾行きたい」とも言った。今年の11月には台湾に二人で行く気満々だった。ポパイの台湾特集を何度も見返している。
「台湾行こう」
「でも行けない」
「まあ泣かないで、明日はハンモックをベランダに出して読書したら?」と物理的、大枠的?、形式的に私の精神の安寧に至る道を提案してくれるRの姿勢が何にもわかってない感じがするけど実は効果的な感じもしておもしろありがたいなと思いながら、それやりたいな、と思う、それやりたいなと思えることのありがたさ、でも明日は曇りなんだよな、さむいかもとも思った。
「見なよ」と割れたケータイでみせられたドリフのコントは、客席の子供がワアワア言う声がめちゃめちゃ可愛い。


齋藤春佳

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