Ongoing Collective DIARY

おねしょしたくなった
2019年5月20日
5月19日(日)の日記は、不肖私、柴田祐輔が担当します。恐縮ス!せっかくだから5月19日に起こった事を書こうと思ったけど、その日は一日中8年ぶりとなるHPの作品ページの更新作業をひたすらやってただけで(さっきアップ!)なんの面白味もないので、先日娘と行った、これまた10年以上ぶりの釣りのことを書いてみよっかな。うちの娘は魚を見るのも食べるのもどっちも大好き。一緒に水族館に行ったり、魚の図鑑を見たりしてあーだこーだ話すのがけっこう楽しい。家の中で、棒に紐をつけて釣りごっこもよくしてたんだけど、娘がどうしても本物の釣りに行きたいと言う。しばらく東南アジアに行って会えないから、罪滅ぼしのような気持ちでネットで買った格安の竿と仕掛けを持ってLaLaport近くにある船橋港に出掛けることにした。結果から言うと最後まで全く釣れなかった。餌を噛じられてもうちょっとで釣れそうだったのに〜とかの手応えさえも一切感じることもなく、釣り人一人いない海で釣り竿を垂らし続けていた。一度だけ場所を変えようと、新たな釣り場を目指して海沿いの工場脇をひたすら歩いてみた。途中で工場に向かう自転車に乗ったたくさんのアジア系の人たちと幾度もすれ違い、釣りに来なければ訪れなかったであろう場違いなエリアに自分がいることを感じる。コンビニでクーリッシュを買って日陰で娘と食べながら、自転車が横切るのをぼーっと一緒に眺める。再び歩き回って探したけれど、釣れそうな場所はどこも釣り禁止の看板が出てて、結局1時間掛けてはじめ釣っていた場所に戻ってきただけだった。娘の釣れるまで諦めたくないとの揺るぎない決意を受け、再び釣り人一人いない海に釣り竿を垂らす。忙しい日々とは対照的に、なんともゆったりとした時間が過ぎていく。この釣りのやり方は間違っているかもしれないし、そこには全く魚がいないのかもしれないけど、それでも海へ釣り糸を垂らし続ける行為は、何か、確かじゃない事の頼りない可能性を信じてみるポジティブな行為のような気がして、すごく豊かな時間を過ごしている感覚もあって楽しかった。正確な情報や豊富な経験を持たない非効率的な行為の内にしか味わえないこの感覚って、日々の忙しさの中でよく後回しにされてしまう。効率の良さを疑うことの難しさについて、かつて西瓜糖のオーナーだった大町さんに言われたことを思い出す。その一方で、正確な情報を持ち、知識を深める事でしか見えてこない風景についてもぼんやり考えていた。娘の送り迎えの際に雑草を摘んでは家に持って帰ったりして図鑑で一緒に調べるのが習慣になり、行き帰りで目にするほとんど全ての雑草の名前を覚えてしまった。同じように見えるホトケノザとヒメオドリコソウを僕が間違って覚えていたのを指摘して、その違いを教えてくれたのは娘だった。それまで雑草としてしか視界に現れなかったものが、名前を覚えてその特徴に敏感になると、知らずのうちに風景のディテールまでにフォーカスが合うようになっていた。さりげないけれど、その見えている風景の質が変わる経験が結構大きな衝撃だったなぁ、とかとか色々ぼんやりと。でもやっぱり釣れないから、なんでこんなところで釣ってんの?って感じで気にしてくれていたであろうおじさんに釣れる場所を聞いてみると、事細かに船橋の釣り事情を教えてくれた。どうやら場所も仕掛けも見当違いだったらしい。それでも諦めずに釣り竿を海に垂らし続けてみた。
18時も過ぎた頃、流石に疲れて石で出来たベンチに寝転んでみると、日中の陽射しの温もりが背中に心地よく感じられた。時間と共に涼しくなっていく空気と背中のベンチの暖かさが調和して、10分ぐらいか、めちゃくちゃ気持ちいい時間帯があった。それも、だんだん良くなっていくピークを肌に感じ、ゆったりとピークが過ぎて行く余韻を楽しみながら、肌寒くなるまでうつらうつらしながら。それでなんだかおねしょしたくなった。
柴田祐輔
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