Ongoing Collective DIARY

5月20日 (月)
2019年5月21日

3週間くらい、ほぼずっと一緒にいて、同じ物食べていた人が今朝帰って行った。

ほぼずっと一緒にいて、同じ物食べていたからか、だんだん言葉にする前に相手の考えていることが分かるようになってきていた。さみしい。これから右手にささったとげは誰に抜いてもらったらいいのか。なに言ってるかわからない中国人のおばちゃんへの対応は?洗い物が山になっているときに一緒にやってくれて、元気ドリンクつくってくれるのは?

ただでさえ繁忙期なのに、楽しくてはしゃいで、睡眠時間を削ってポーカーしたり海に散歩しにいったりしていたからぐったりしている。ふたりとも疲れてハイになって、よけいに遊んでまた疲れて、不機嫌になりかけたりしながらも持ちこたえて、濃くて早い日々だった。

島は強風が吹き続けていて、今日で4日目。畑の豆たちはみんな斜めにかしいで、看板は吹き飛び、夜は悲鳴のような音が鳴り止まない、家が揺れる。

今日はついに船が止まった。それで、絶対暇なはずだから、そういうときは自分の食べたいもの、あんまりたくさんは作れない特別なものを作る。畑から山のようにつんできたグリンピースと、先週の買い出しの時に豚バラブロックで仕込んでおいた塩豚で煮込み。子どもの頃、グリンピース嫌いだったけど、それは冷凍のミックスベジタブルしか食べたことなかったからだった。生の、鞘から剥きたての、畑から収穫したてのグリンピースったら、なんてこと!ってくらい香りがぷうんとして最高。グリンピースより、えんどう豆の方が魅力的にきこえるかしらと思って、メニュー表には「塩豚とえんどう豆の煮込み」と書いた。

キャッチーであること、受け入れてくれる人が多いものについて最近考えている。ほぼ観光客、しかも日本人、アジア人、欧米人、子どもも来るし、時々来る島のおじちゃんこそ満足させたい。ターゲットがしぼれない。でも何種類も作れない。おいしいって、みんな違う好みを持っているけれど、ある程度の範囲があって、なるべく万人に受け入れられて、かつ、鋭く突いていくポイントのある味をつくるのが今の目標。

煮込みの話にもどる。店の外壁と道の隙間にたまった土のところにタイムが生えてきていて、それと、オレガノ、熊本の新にんにく、畑の新玉ねぎ、大きく切った塩豚とたっぷりのグリンピースをいれて弱火にずっとかけておく。その間にスコーン焼いたり、煮込む前に捏ねておいたパンの成形したり、余裕あったからちょっと仮眠したり、パンケーキ食べたり、掃除したり、風ではがれ落ちそうになっている板をむしり取ったりする。

味見をしたら、バラ肉だったからけっこう脂が多くてこってり重すぎる。最初、焼いてから煮ようか、と迷ったが焼かず、玉ねぎも炒めず、全部生のまま、いきなり水を入れて煮始めたからそうなった。でも焼いたら作りたかったかんじのものとは違くなるから、正解だったんだけど、ここからすこし軽くする工夫する必要ある。煮汁を取り分けて冷ます。肉は脂身をこそげる。冷えた煮汁から、白くかたまった脂をすくいとる。

豆と煮汁とほどほどの薄切りにした肉を温めて、生のオレガノ乗せた。別のお皿にごはん、きいくんのおばちゃんからもらったレタス、畑で間引いたビーツの葉っぱのくったり煮(ビーツ、もっとマニアックな味になっちゃうかもと心配したが、際立った癖もなくだれも残さず、安心する。くったり煮、万能感ある。)赤玉ねぎの梅酢ピクルス、スナップえんどう。盛りつけてから、あ、煮込み、ビネガー煮にしてもよかったなーとふと思い、酸味にマスタードと思ったが切らしていて、茂ちゃんのレモン添えた。

煮込みが残ったら私が食べようと楽しみにしていたが、船が止まった割には結構お客さん来て、売り切れた。煮汁だけ残っていて、そこに使いかけの豆腐と、昨日、鶏ひき肉とグリンピースのワンタンしたときのタネが残っていたのを入れて、スープ。食べる時にミントちぎって入れた。豆腐とミント、ミントとグリンピース、の組み合わせは熊本の師匠の亜衣さんのレシピにあって、一緒に旅した雲南を思い出す。肉だねに片栗粉入れていたから、食感がつるっとしてておいしい。煮汁も脂が多いから、煮立たせたら白濁して、とろっとして、豆腐も食感がそろっていて、ぜんぶつるつるふわふわした白っぽいもののなかに、グリンピースは周りはつるっとしてるけど、ほくっとしてぷうんと香りがあって、ミントはひんやりするイメージが来て、いいぞいいぞと思いながらそれだけをたくさん、どんぶり2杯食べた。

 

高木花文

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