Ongoing Collective DIARY

「デュエット」
2019年5月29日

朝7時に起床、シャワーを浴びて寝癖を直し、走り回る娘の身支度もする。芽を出したばかりのダリアに水をあげて、片方萎れているのに気がついて一緒にがっかり。気を取り直して8時半に家族三人で家を出発。途中の曲がり角で、お父さんはバイバイ。妻と娘は保育園へ。

大学に着くと本日の授業進行をイメージしつつ早めに学食で中華ランチ。娘は僕が大学に通っていると思い込んでいたりする。3限、100人越えの講義で日本の写真家3名についてスライドを見せながら60分伝えたい事を語り続け、20分程度の参照動画を見せて小レポートを取る。講義の枠を超えて熱心にレポートを仕上げてきた学生が3名、嬉しい限りだ。次の授業までの合間、MacBookのセットアップで新入生が初めて宝物を手にいれる感動を目にしてニンマリした後、教員向けのメンタル系セミナーでアドラー心理学に触れてなんとなくうな垂れる。うぅ〜、正気に戻らねば。5・6限、映像の演習。1カット縛りで制作された学生短編作品25本を鑑賞し、学生の声も聞きつつ、できる限り丁寧にコメントしていく。いつも思うが講評は難しい。果たして何を共有して、何か伝えることが出来たのか?心の奥底で呟きつつ演習後、授業外で動かしている映像プロジェクトの進捗チェック。完成間近の学生の編集力はなかなか、鍛え甲斐あるね。イメージやコンセプトが、言葉や作業を通して相手に伝わるようになるには時間も手間もかかる訳だけれども、その距離が縮まっていくことはなんとも快い体験だ。これが、僕が教員を続けることが出来る一つの理由です。

で、今日は遅めの22時帰宅。玄関を開けると本当は寝ているはずの娘がお出迎え。娘の歯を磨くのを手伝って、絵本をループでお姫様抱っこして布団に寝かしつける。流石に脳がオーバーロードしそうなので、30分仮眠。で、近所のファミレスに移動して日記を書き始めました。

何を書こうかなぁと記憶を辿ってみる。

 

プッププ、スゥー。

 

久方ぶりに針を落とす。傍らには、目を丸くして、じっと事の次第を見守りながら佇んでいる娘の姿が呼び起こされる。そう、娘は三歳になった。危険予防、悪戯防止、年齢不相応、色々な理由で今まで家で機能していたものを隠したり、保護したりして、封印してきた。ここ最近は娘の成長に伴い、生活の中で失われたあれこれが休眠を終えて取り戻されつつある。レコードもその一つ。

待望の瞬間、DJ父として何をかけるのか?小さくて大きな問題。色々と妄想を膨らましたけれども、結局アイドルのドーナツ版に。長山洋子の『春はSA・RA SA・RA』1984。娘の体がカクカクと静かに揺れだして、歌が始まる頃には楽しげに踊りだしている。一緒に踊って笑顔が溢れる。この曲、80年代当時を僕自身が知っている訳ではなくて、昨年なんとなく観た映画の中で出会った。『マジカル・ガール』2014というカルロス・ベルムトというスペイン人監督のサスペンスで扱われた一曲。堅実に練り込まれた素晴らしい映画なのですが、書き出すとネタバレになってしまうので控えます。人間の「欲望・願い・愛」が交錯する冴えない父と、魔法少女に憧れる娘の物語。娘持ちのあなたも、そうでないあなたにも必見。で、観終わった後、早速オークションでレコード手に入れて眠らせておいて、ようやく盤に針が落ちたというわけで。

そんな想いを娘が知るはずもなく、父的自己肯定の趣向満天ではありますが、意図を超えて何かがきっと残ると信じたい。自分の幼少期を振り返ると、日曜日になるとレコードが回っていたことを思い出す。細い糸を辿っていくと、それは『四季の歌』。定かではないけど、芹洋子?僕の父がランニングにパンツでよく歌っていた。カラオケの練習なのか、ただ単に好きだったのか、僕に聴かせたかったのか、所以も訳も不明だけれども、脳裏にこびり付いている一曲だ。回り回って、この先娘が初めて聴いたレコードの曲が何だったのかを思い出せる可能性は極めて低いのだろうけど、次の日曜日には、また春はサラサラかけてみようと思います。愛を知る事の大切さが身に沁みすぎる一日の記録を示しました。

 

参照動画『春はSA・RA SA・RA』

https://www.youtube.com/watch?v=3nAOv1LbBss

 

鷺山 啓輔

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