ごどぶげじょぴゃぎょの

最近は生まれて数ヶ月になるまだ言葉を持たない息子によく「んぐまーま」という絵本を読み聞かせている。

うやむやむ
なむばなならむ

みょぷらぬのに?

だばがじで
ごどぶげじょぴゃぎょの
ぜどげごび

谷川俊太郎さんの文は、もはや詩でもないような意味をなさない音が並ぶ。絵は大竹伸朗さん作で、こちらもよくわからないが混沌から生まれた謎の生物が冒険し、母のいる家に帰る(と思われる)様子が描かれている。
絵に合わせて文が書かれたのか、文に合わせて絵が描かれたのか気になるが、総じて意味不明で良い。

読み聞かせると息子は真剣に絵を見つめる日もあれば、さっぱり興味なくそっぽを向こうとする日もある。まだ言葉を持たない息子には音の肌触りだけが伝わって、この意味不明な文章も私が話しかける言葉もあまり大差ないかもしれない。

この絵本を読んでたら、昔読んだ井筒俊彦の「意味の深みへ」という本を思い出して、最近引っ張り出してきて改めて通勤電車の中で読んでいる。
言葉を覚えてしまえば、何を認識するにもまとわりついてくる言葉の意味文節作用。
絵本を読みながら意味も無意味も同等に大事だと改めて思う。