6月13日の日記: 翻訳とマラソン

楽しみにしていた日記、日付が変わる前に時間に余裕をもってPCで書く予定だった。電話が鳴らない日もあれば、次から次と飛び込んでくるような日がちょうどこのタイミングで、結局徹夜明けのぼうっとした頭に夏に向かうところの朝陽を受けながら、iPhoneから両手の親指で打っている。

さて、6月13日のこと。
どうしても今日中にカンボジアの翻訳の最終チェックを終わらせたくて、今朝も3時くらいまで粘ったが寝落ち。仕事も気になって、また香港の昨日の逃亡犯条例改正案反対のゼネストの警察の徹底した暴力の様子も心配で、普段より早く9時頃目覚め、テレビのニュースに目をやる。

白湯を飲み、カットされたキウイとスイカを食べつつ、コーヒーを入れる。翻訳のチェックを午前中には終わらせたいので、5〜10分しかないとわかりつつ、タブレットで『ゲーム・オブ・スローンズ』シーズン5エピソード5「壁の決断」の続きを再生しつつ、シナモン・ロールをかじる。アイルランドがロケ地となっているようで、旅の予習に観始めた。だらだら観てしまわないように、食事が済んだら、停止を押すことにしている。今日は停止を押せたが、時間に余裕があるときで、あまりに残酷なシーンや悲しすぎるシーンでエピソードが終わってしまうときは、つい次のエピソードものぞきたくなる。多分自分は登場人物の良心や正義を求めてしまい、少しでもその様子が感じられると安心して現実の自分の進行に戻っていける。

同じ道を複数回通るのが苦手で、下訳が終わったものを初回に自信がなかった箇所を再考しながら、一字一句最終チェックする作業は、毎回マラソンのようで、ハイ、ラストスパート!と思いながら目を通す。1回で完璧を目指すべきだが、毎回少なからず書き損じを見つけたり、初回より収まりのよい訳に落ち着いていくので、その道はいつも通るしかない道。

無事翻訳最終チェックも終わり、本当はうどんを食べたいところだが、高円寺の美容室menosの予約もあるので、朝ドラ『なつぞら』を横目に、冷凍のグラタンをこれまた10分で食べる。タイミングよく高円寺駅行きのバスに乗れ、アイルランドの経由地オランダの旅の予習で司馬遼太郎の『街道をゆく オランダ紀行』の続きを読む。今はレンブラントの「夜警」は肖像画を集団で割り勘していたというくだり。

さて、もうすぐタイムアップのようなので、お知らせです。
昨年トーキョーアーツアンドスペースのレジデンスで来日していたカンボジア人アーティスト、リム・ソクチャンリナさんが滞在時に日本のカンボジア人コミュニティをリサーチし、撮影した映像作品の字幕のお手伝いをさせて頂きました(上記の翻訳とはまた内容は違うのですが)。トーキョーアーツアンドスペース本郷で開催中の「トーキョーアーツアンドスペース レジデンス2019 成果発表展 “予兆の輪郭”」で7月7日(日)まで展示されています。気になる方はぜひ。

本間順子