2020/4/13 寒くて風が強いのを窓のこちらから感じる

今日は一日中確定申告のための書類作りをしていたので、疲れて頭がぼんやりしている。高石くんが晩ごはんを作ってくれた。たらとキャベツとエノキのレモンバター蒸しと、スンドゥブチゲ。おいしかったです。ごちそうさまでした。

朝起きたときにはあれを書こう、これを書こうと思っていたけれど、レシートをまとめてエクセルに書き込み税務署に電話して質問したりなんかしているうちに、そういうアイディアは奥の方に隠れてしまって今はリアリティがない。どうしよう。

とりあえず今感じるリアリティは自分は全然稼いでいない、ということだ。今まで見て見ぬ振りをして特に気にしていなかったけれど、確定申告をすると明らかにその事実が浮かびあがる。でも考えても仕方ないので、深く考えないことにする。

そろそろ制作を始めるべきだろうか。あ、べき、なんて書いちゃってる。これこれ、私は今回ここを反省しているんです。このコロナの状況になるまで、私はがむしゃらに働いてきた。正直言ってワーカホリックだった。そしてマーストリヒトから空港に向かって電車に乗っているとき、私はなんでオランダであんなに一生懸命だったんだろうか、とふと思ってしまったのだ。

オープンスタジオは大事だった、でもオープンスタジオはオープンスタジオであり、たった3日で終わってしまうものだ。もちろん頑張ったことを後悔しているわけではないし、あれを完成させられてよかった。でもあれを完成させるために犠牲にしたものを考えた。

日記を書き終わったらアップルパイを焼こう。昨日も母に電話をした。コロナの状況がまだヨーロッパでひどくなる前、ダイヤモンドプリンセス号の騒ぎがあった2月の終わりごろに祖母が腰をまた痛めて歩けなくなってしまい、入院した。コロナの院内感染防止のために入院患者との面会はいっさい禁止で、そのあいだに祖母の認知症がかなり進んでしまった。

退院したあとは、母と伯母が交代でもう1ヶ月以上泊まり込みで介護をしている。もう自主隔離の2週間は過ぎたので、私もシフトに入るよ、と言っているのだけど、母は、いいよ大丈夫、という。でも電話をして愚痴ったり政権に文句を言ったり笑い話などをしていると、笑い泣きしているのか、花粉症なのか、感情が高ぶって涙が出てしまうのか、とにかく鼻水をすする音が聞こえる。母が泣くのなんてこれまで見たことなかったけれど、この12年、たまに母が泣くのを見る。でもその涙は、たぶん良い涙。流した方が良い涙もある。私も泣き虫だからよくわかる。泣くことで感情も一緒に放出できるのだ。

私もオープンスタジオの準備のときに、じつは泣いてしまったのだ。どうしても理不尽なことがあった。仕事の場面で、その場で泣くのなんて初めてだったから、それが悔しくてまた泣いて、涙が止まらなくなってしまった。スタジオのドアを閉めて、1人で泣いていたんだけど、たまたまハシゴを取りに来た人に見られてしまい、そのあと次々に人が来て、どうしたのマイコ?といって、ハグしてくれたり、一緒に解決策を探してくれたりした。子どもみたいで本当に恥ずかしくて悔しかったけれど、でもみんなが助けてくれたおかげでなんとかなった。オープンスタジオが始まってから、泣いて解決するのなら泣くのが正解だったんだよ!と友達が言ってくれて、私は苦笑いしてしまったけれど、まあ、泣いてなかったらたぶん状況はひどかった。

なんかこんなことを書きたかったわけではないんだけど、でも母が私に気を許して泣いてくれるのは嬉しい。オープンスタジオの準備の途中で、テイクアウトのチャイニーズの店でテリヤキチキンボックスを待っているときに、母に電話して、こうこうこういうわけで泣いちゃったんだよ、恥ずかしかったよ、というと、母がそんな大変なことになったら私も泣いちゃうよ、といって本当に電話ごしに泣いていて、それが面白かった。

MJ