Ongoing Collective DIARY

11月7日の日記
2019年11月11日

今回の日記は日付を完全に勘違いしていて、3日ばかり過ぎていた…。
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昨日夕食を食べながら、漬け物程度で冠せものをしていた奥歯の残っていた土台の歯の方が少しかけた。もうすぐカンボジアへ行くのに、その前に治さないと、旅先で完全崩壊するのは恐ろし過ぎるし、まだ40歳にもならないのに、この歳でもうかけてしまうのは、この先大いにショックだし、不安だ。

午後、奥歯の冠せものは無事修復された。ひとまずの安心。でも補強に過ぎないので、次かけるのが半年以内ということもありえると言われる…。

歯医者に出入りしているグレージュ系の珍しい毛色の野良猫おトラトラに『世界ネコ歩き』の岩合光昭さんのように「おトラトラはかわいいね」と言って、初めてやさしい顔で「ミャッ」と応えてもらい、とても気分が晴れる。

帰って仕事の続きをして、渋谷のル・シネマで上映中のアッシュ・メイフェア監督のベトナム映画『第三夫人と髪飾り』へ。タイトルから気になっていたことと、今月下旬の東京フィルメックス会期中に開催されるピッチングのワークショップ、Talents Tokyo 2019に新しい企画で参加されることもあり、その予習としても観た。監督自身の曽祖母の体験を題材にした19世紀のベトナムの農村を舞台とした本作が長編デビュー作!ですでに映像による語りの豊かな表現力を魅せていて非常に圧倒される。一夫多妻制で共に暮らす妻たちの意外な関係性であったり、男性であっても人生思いのままという訳にはいかない辛苦に、人の生き様を知り、その上で自分との闘いを知る若い第三夫人の感情のダイナミズムが直球で響いてくる。

帰宅して、ゲンロンの「東浩紀がいま考えていること・番外編――『大量生と虚構の問題』再プレゼン」のタイムシフト放送の残りの30分を観終わった頃、mac bookからおかしな音が聴こえ始め、再起動をかけても、画面が白くはてなマークのフォルダーアイコンしか出なくなってしまった。ハードディスクが認識できなくなったらしい…。2012年購入だからかなり無理をしていたのはわかっていたし、タイムマシンしなきゃ、しなきゃと思いながら直近ではバックアップができていなくて、自分の行動が悔やまれ、いろいろ悲しい…。でも、人生が新しいステージに動く時にPCはほぼ壊れてきたので、明日の大学院の合格発表もよい結果なのかもしれない。とりあえず、明日は勇気をもって合格発表とデータの救出だ。

本間順子

9月19日の日記
2019年9月21日

今はもう21日だけど、19日の日記を書く(ごめんなさい)。

今、ひたすら文献を読んでいる。
前回の日記で読んでいた長谷川町蔵・大和田俊之著『文化系のためのヒップホップ入門』で知った、
ヘンリー・ルイス・ゲイツ・ジュニア著 松本昇・清水菜穂監訳『シグニファイイング・モンキー -もの騙る猿る/アフロ・アメリカン文学批評理論』は、一読では難しすぎて理解しきれなかった。ここからさらに引用されている文献も読んでいけば、少しは理解が広がるのか?
でも、理解できない部分はちょっと脇に置いておいても、次の箇所にちょっとでも触れてしまっただけで、すごくハッとさせられて、これまで無自覚だったかもしれない文学の読み方が変わってくるのかな?と期待している。ただ、自由間接話法と直接話法、語り手の声と主人公の声、標準英語と黒人の方言、これはもう実際にこの作品を読んでみて体験してみるしかないなあ。

「自由間接話法をアフロ・アメリカンの語りに導入したのは、ハーストンであった。私が証明したいと思っていることがだが、ハーストンが、主人公の自意識における成長を自由間接話法を用いて描きつつ、アフロ・アメリカンの修辞上の戯れのさまざまな伝統的な様式を表現できるようになったのは、この革新によるのである。興味深いことに、ハーストンの語りの戦略は、テクストのふたつの極と、一見相反する語りの様式とを混ぜ合わせることに依拠している。相反する様式とは、少なくとも標準英語の語法によって始まる語り手による解説と、引用符や黒人の言葉づかいによって常に前景化される、登場人物の会話である。しかし、主人公の自意識が目覚めると、テクストは、彼女の成長を表象するために自由間接話法を用いるばかりでなく、語り手による解説の声が、黒人の登場人物たちの言葉づかいを帯びるようになる。そのため、いくつかの節においては、語り手の声と主人公の声を識別することが非常に困難になってしまう。別の言い方をすれば、ハーストンの言う非常に「装飾的な」自由間接話法を使うことでーそれは、語り手による解説と直接話法のあいだにある、第三の、あるいは仲介する言語と考えられるものだがー『彼らの目は神を見ていた』は、標準英語と黒人の方言、つまり小説の冒頭で言語上の対比的要素として機能しているふたつの声のあいだに存在する緊張を、解きほぐすのである。」
            p.286 「第5章 ゾラ・ニール・ハーストンとスピーカリー・テクスト」

(さらに…)

8月1日の日記: テープ起こしとマラソン
2019年8月2日

目下、テープ起こしをしていて、朝5時に切り上げた。
テープ起こしの出だしはいつも、ゴールが見えないくらいにスローで、自分でも納期に間に合うのだろうか、といつも不安だ。眠気は常にありつつも、実はペースは好調だったのだけれども、東京のこの24時間止まることのない暑さに、とりあえず寝ておこうと思った。
テープ起こしというのは、いいペースに乗れるかどうかも、和田竜著『忍びの国』の忍者が寝ている人の部屋に忍び込む時のように、相手の呼吸に合わせることなのかもしれない、とふと思う。
再び目覚めて、今日のフルーツはモモとプルーン。プルーンもおいしいけれど、先週仕事で行っていたプノンペンで、ホテル近くのカップ・コー市場で買って部屋で食べていたマンゴスチンも懐かしい。
twitterで石井ゆかりさんの「今日の占い」は毎朝欠かさず見てる。長めの「来週の星占い」や毎月の「全体の空模様」もいつも楽しみにしている。
昼ごはんを食べた後は、昨日買っておいたタピオカ入りココナッツミルクでテープ起こしを夕方まで。
家を出て最寄駅へ向かいながら、先週のカンボジアの時間を思い出しつつ、カンボジアの歌謡曲のイメージで脳内再生しながら、気分は踊りながら歩いていたら、前から手を振られているのが目に入ってきた。ようやく見上げたら、仕事帰りの大学の同期がめちゃ笑顔で、何とか「バイバーイ!」って返せたけど、ちょっと照れくさい。
来日中のタイ人の友人と一緒にごはんを食べるからと友達が前から誘ってくれていた夜。夜8時近くに駅でただ待ち合わせしているだけでも、汗が止まらない。カンボジアも汗が止まらなかったけど、東京の方が湿気もひどくて、とにかく暑い。薄くて即乾性の高い素材の服のチョイスがもっと広がれば嬉しい。
初めましてのタイ人カップル。彼氏は音楽好きのようで、雨のすごかった今年のフジロックでのテント泊!私もフジロック行って、THE PARADISE BANGKOK MOLAM INTERNATIONAL BAND、聴いてみたかったな。バンコクからのデイトリップのオススメをいくつか聞く。ゆば豆腐とほうじ茶アイスが濃くておいしかった。
帰りの山手線、友達と別れた後、時間調整だかで、渋谷からなかなか先に進まない。長谷川町蔵・大和田俊之著『文化系のためのヒップホップ入門』を読んでいると、10年来のタイ人の友達がLINEで通販サイトに書かれている日本語の意味を聞いてくる。タイのラップ対決番組「Rap is Now」を教えてくれたりする友達だから(タイでは多くのラッパーがメインストリームのシンガーに呼ばれてフィーチャーされるようになって、友達も驚いているらしい)、今アメリカのヒップホップの歴史の本で、2パックとノトーリアスBIGのところを読んでいる、と話したら、NETFLIXの『Unsolved: 未解決ファイルを開いて』を見なよ、2パックの話だから、とのこと。
今月は有難いことだけど、想定外に仕事いっぱいで、少しあっぷあっぷしそうだけど、早く観たい。

本間順子

6月13日の日記: 翻訳とマラソン
2019年6月14日

楽しみにしていた日記、日付が変わる前に時間に余裕をもってPCで書く予定だった。電話が鳴らない日もあれば、次から次と飛び込んでくるような日がちょうどこのタイミングで、結局徹夜明けのぼうっとした頭に夏に向かうところの朝陽を受けながら、iPhoneから両手の親指で打っている。

さて、6月13日のこと。
どうしても今日中にカンボジアの翻訳の最終チェックを終わらせたくて、今朝も3時くらいまで粘ったが寝落ち。仕事も気になって、また香港の昨日の逃亡犯条例改正案反対のゼネストの警察の徹底した暴力の様子も心配で、普段より早く9時頃目覚め、テレビのニュースに目をやる。

白湯を飲み、カットされたキウイとスイカを食べつつ、コーヒーを入れる。翻訳のチェックを午前中には終わらせたいので、5〜10分しかないとわかりつつ、タブレットで『ゲーム・オブ・スローンズ』シーズン5エピソード5「壁の決断」の続きを再生しつつ、シナモン・ロールをかじる。アイルランドがロケ地となっているようで、旅の予習に観始めた。だらだら観てしまわないように、食事が済んだら、停止を押すことにしている。今日は停止を押せたが、時間に余裕があるときで、あまりに残酷なシーンや悲しすぎるシーンでエピソードが終わってしまうときは、つい次のエピソードものぞきたくなる。多分自分は登場人物の良心や正義を求めてしまい、少しでもその様子が感じられると安心して現実の自分の進行に戻っていける。

同じ道を複数回通るのが苦手で、下訳が終わったものを初回に自信がなかった箇所を再考しながら、一字一句最終チェックする作業は、毎回マラソンのようで、ハイ、ラストスパート!と思いながら目を通す。1回で完璧を目指すべきだが、毎回少なからず書き損じを見つけたり、初回より収まりのよい訳に落ち着いていくので、その道はいつも通るしかない道。

無事翻訳最終チェックも終わり、本当はうどんを食べたいところだが、高円寺の美容室menosの予約もあるので、朝ドラ『なつぞら』を横目に、冷凍のグラタンをこれまた10分で食べる。タイミングよく高円寺駅行きのバスに乗れ、アイルランドの経由地オランダの旅の予習で司馬遼太郎の『街道をゆく オランダ紀行』の続きを読む。今はレンブラントの「夜警」は肖像画を集団で割り勘していたというくだり。

さて、もうすぐタイムアップのようなので、お知らせです。
昨年トーキョーアーツアンドスペースのレジデンスで来日していたカンボジア人アーティスト、リム・ソクチャンリナさんが滞在時に日本のカンボジア人コミュニティをリサーチし、撮影した映像作品の字幕のお手伝いをさせて頂きました(上記の翻訳とはまた内容は違うのですが)。トーキョーアーツアンドスペース本郷で開催中の「トーキョーアーツアンドスペース レジデンス2019 成果発表展 “予兆の輪郭”」で7月7日(日)まで展示されています。気になる方はぜひ。

本間順子

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